(600)地域密着
住民は地域の中で生活しています。従って地域に愛着を感じ、地域を誇りにしようとします。しかし日本という国は小さく、しかも江戸時代のように鎖国社会を形成したものですから、世界の中の日本という立場をともすれば忘れがちになってしまいます。
むしろ日本という国の中で郷土をいかに大きくするかといった考えに傾いてしまいます。中央の政治家は地方よりも国を中心に考え、地方は中央からどれだけ金を取ってくるかに懸命です。
地域の集合体が国であり、国の集合体が世界ということになると私は考えているのですが、どうもそれぞれの立場で自分に都合よい考えを他に押しつけている気がします。
全く話の次元が違いますが、プロ野球はやっと地元密着を志すようになったのでしょうか。多くの球団が地域名を頭に付けるようになりました。今までは企業の提灯持ちだったのです。ファンより企業の宣伝を優先していました。
アメリカ大リーグの試合を見ていると、地元のファンが大声で地元の球団を応援しています。ビジター球団には気の毒に感じるぐらいです。日本では地域より日本の球団でありたいというところがあって、ファンも分散していました。やっと最近になってホーム球団が受けるようになりました。
日本のサラリーマンには転勤がつきものです。海外から日本に駐在する企業マンが少なくありませんから、欧米でも転勤はあるのでしょう。彼らにどこから来たかを聞くと一般にニューヨークとかボストン、シカゴというように地域名で答えます。私の経験ではアメリカからと答える人は少なかったのです。
これに対し日本人の多くは日本からと答えても新潟からというような返事はあまり聞きません。国の広さの違いはあるでしょう。でもそれだけ地域を大事にしているとも受け取れます。
新聞界でも同じで、アメリカのも全国紙がありますが、それほど大部数を誇るというものではありません。時差とニュースの伝達時間の関係があるのかもしれませんが、有力地方紙が多いということです。
地域のことは地域に根ざした新聞の取材力にかないません。全国を転々とする記者に一地方の生活習慣が体に染みつくことはないでしょう。それを全国に同じ題字の新聞を売れば、転勤するサラリーマンがどこで読んでも違和感がないと考えるからややこしい話になります。
テレビ、とくにBS放送は発信局が東京にあり、全国に電波を出します。まさに全国紙と同じです。そこに地域特性は全く表れません。NHKは地域ニュースを纏めて全国に発信する時間を設けていますが、中途半端の感が否めません。
地域というものを国民がどう考えているのか、政治家や企業人はもっと研究する余地がありそうです。
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