(798)FM放送の本質
2009年3月1日、NHKはFM放送40年という節目を迎え特番を組んでいました。
FMの売りは音楽放送などをステレオ音でさながらコンサートホールにいる雰囲気で聞けるということでした。しかしそれは音楽を聴けるように設計された立派な部屋がなければ無理というのがすぐにわかりました。
音響機器店には立派な視聴室が設けられています。そんな設備を一般家庭に作ることは出来ません。結局それまで一部の中波ラジオ局が実験していた2台のラジオで左右の音を聞き分ける方法よりいくらかマシという程度のものです。
NHKは第1放送と第2放送、民放は当時友好関係にあった文化放送とニッポン放送で左右の音を振り分けて流し、聴取者は2台のラジオを置いて聞くという方法です。
のちにTBSなどのラジオ局が一つの周波数帯の中で左右の音を同時の流し、受信機側がその音を分離して左右のスピーカーで聞き取るという形式の放送を始めていますが、結局FMの普及でこれは廃れてしまったように思います。あるいは今でもやっているのかな?
FM放送はNHKと民放で全く進む方向が違っています。NHKがクラシック音楽を重点に歌謡曲、演芸、ドラマと多岐にわたり聴取者の好みに応えようとするのに対し、民放は英語混じりのDJ番組中心で若者にターゲットを絞っています。
私も車中などでFM放送を聞くことがありますが、民放のそれは全く聞きません。語りも音楽も全く理解できないからです。
最近は防災をかねていわゆる地域FM局があちこちに出来ています。これは便利です。観光地などに出かけたときでもごく限られたエリアが対象だけに、その地域のイベント情報や交通情報を提供してくれます。
その土地情報を持ち合わせていない人に役立つと共に、地域住民にとってもいざというときの緊急情報を得られるメリットがあります。
FMが特定ファン層に対する情報源という特性を活かしながら、片や若者というターゲットに音楽を、片や地域住民とそこに訪れた人に対する生活情報源としての存在、FM放送の本質が見事に活かされているように感じます。
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