(816)困るのはどっち
豚インフルエンザは、アメリカに端を発した世界的不況同様、世界を恐怖に陥れています。何しろ新種ウイルスのため治療薬も予防薬もこれからのことというのですから困りものです。
珍しく日本の対応は早く、WHOが動物から人間に感染の恐れありというフェーズ3から人間同士の感染もあり得るというフェーズ4に切り替わった段階で、人間同士の急速な感染が見込まれるというフェーズ5並の対応策を講じたのですから。
アメリカあたりではそれほど深刻な状況でないという発表段階の、日本の対応は例によって-オーバーな感じを持ちましたが、こと病気に対する対策はオーバー気味であって良いと思います。
かつて最初に人間ドックを受けたとき、疑いは罰するという方針で少しでも疑いがあれば精密検査を勧めているというセンター長の話に納得したものでしたが、それと共通したものがあります。
そのため評価がフェーズ5になって日本政府の対応はという質問に厚生労働大臣が最初から最悪の状況を考えて対策を講じているという明快な回答。当然のことだと思います。
問題はメキシコで発生したこのインフルエンザが、鶏と人間のウイルスが豚を介して掛け合わされ、全く新しい新種ウイルスが誕生したという事実です。従来動物の持つ菌と人間の持つ菌は全く別物との観念があったため、こういう事態が起きると改めて自然の恐ろしさを感じます。
人間に滅ぼされないで生きて行くため、菌同士でお互いの仕組みについて情報公開をして強い菌を産み出したとしか考えられません。
そういえば他国のIT企業が中国を相手に仕事をするなら情報を開示しろと迫ってきたそうです。各国からの批判で1年間実施を延期しましたが、いずれは情報開示しなければということです。
好況が続いた頃の日本では企業スパイが暗躍していました。そのため企業は新製品の基軸になる部分は企業秘密として明かさなかったものです。それを堂々と要求するのですから国策とは恐ろしいと感じます。
しかしそれがその国の方針なら、他国はその国を避けて仕事をやるだけの勢いがあっても良いのではないかと考えます。以前アメリカが日本に過重な税を課してまで、日本製品の輸入を抑えようとしたときがありました。
そのときにも感じたのですが、それならその国を外して商売すればいいのではないかと考えましたが、企業はやはりアメリカや中国を外した仕事は考えていないのですね。実際にそれだけの強みを持てば一時期企業は苦しいかもしれませんが、相手はもっと辛い目に遭うはずです。
要は困るのは誰かを考えれば結論は導き出せるように思います。新型インフルエンザに対応する新薬が出来ればすぐ世界の人にその情報を開示すべきでしょうし、ITのようにその普及が多少遅れても他の仕組みで代替できるのであれば、特許技術の開示は強制されるものではありません。
開示を求める国にも独特の文化があります。それを自由に各国が手にするようになれば本来の所有国は困るはずです。いつも逆の立場になって考える、ということが必要になっていると思います。
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